「スマホゲームの面白さを実現するために最初にすべきこと~レベルデザイン~」

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こんにちは。ビジネスアナリティクス部サービスアナリティクスGrpのkohiです。

 

前回「ゲーム・アプリを、長い間楽しめるものにするために意識した方がよい数字たち」で予告した、リリース前に「ゲームの面白さ」を確認する方法をご紹介します。

 

ゲームは作ってみないと面白さは分からない?!

ゲームの面白さを思い通りに実現する事は、想定以上に難しいです。

実際にゲームを作って、プレイしてみては壊し、手直ししてみては壊し、を繰り返すことで、思い通りのゲームに近づけているのは誰もが行っているはずですが、

ゲームの面白さやユーザーの体験を想定通りに実現するための効率的な進め方はあるはずです!

 

レベルデザインでユーザーのゲームの体験を設計しよう!

その進め方こそ、「レベルデザイン」であると我々は考えます。

業界や会社によって、「レベルデザイン」が指すものは異なりますが、今回は私達が考えるスマホゲームにおける「レベルデザイン」の考え方を紹介します。

「ゲーム中でのUX設計」といってしまっても良いかもしれませんが、画面のデザインや操作性の設計というニュアンスが強くなってしまうので、

われわれは、「ゲームのUX設計をもとに、仕様やシステム、パラメーターに落としこむことでユーザの体験を設計すること」をレベルデザインと呼んでいます。

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レベルデザインで大切な6つのプロセス

では、レベルデザインとはどのように行うのでしょうか。

私達のレベルデザインでは、まず初めに、ゲームを遊ぶユーザを何種類かのセグメントに分解したあと、各セグメントのユーザに対し6つのプロセスで具体的なユーザの体験を設計していきます。

セグメントの分解は、ゲームを遊ぶプレイスタイルや趣向をもとに行います。

例えば、毎日1回だけプレイするライトユーザと、毎日5回プレイするミドルユーザ、毎日10回以上プレイするヘビーユーザのようにプレイ度合いで分類したり、10代男性、30代女性のようにユーザ属性で分類するといった具合です。

 

レベルデザインで大切な6つのプロセスは下記に示しました。

  1. ゲーム構成要素を整理し、各要素毎にユーザがどのように知り、遊び続けるかを設計する

  2. ユーザへのフィードバックとなるインセンティブの価値や配布法、ポリシーを設計する

  3. ユーザのゲーム内での成長における成長速度や頻度を設計し、ゲーム全体のボリュームを設計する

  4. ユーザがゲームに没入するまでの短~中期のプレイ体験と、イベントなどを含む中~長期的なプレイ体験を設計する

  5. ソーシャル要素によるプレイ体験を最適化し、ゲームサイクルへ組み込む

  6. 上記を踏まえたマネタイズ設計やKPI設計を行う

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1.や2.はゲームとして成立するために必須で、6.は誰もが考えることですが、

3.や4.の観点が抜けていると、ユーザにプレイを続けてもらえず、すぐに飽きられてしまします。

3.のゲーム全体のボリュームは、基本的には下記の要領で見積もります。

 

  • ユーザの1回あたりのプレイ時間や1日あたりのプレイ時間を見積もる

  • ゲームの1サイクルにあたる部分のプレイ時間を見積もる

  • 成長要素を感じる頻度や成長速度のポリシーを作成する

  • 各セグメントごとにゲームのサイクルや成長がどの程度実行されるかを見積もる

 

ステージアンロック式のゲームであればステージ数、カード合成系のゲームであればカードの成長速度や獲得頻度/割合、シティビルディング系のゲームであれば街の成長速度やPVP実行回数と資源の獲得頻度の見積もりなどがこれにあたります。

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4.の中長期的なプレイ体験は1ヶ月間のユーザのプレイ体験と運営を考慮し設計します。

 

  • 毎プレイの目標感や進捗はあるか

  • 日ごと/週ごと/月ごとのプレイの目標感や進捗はあるか

  • ユーザ毎に異なる軸の目標を設定し、それぞれ異なるプレイ体験ができているか

 

定常的に遊べるコンテンツとして曜日クエストを導入し、イベントではPVP機能を導入するなどの「運用設計」や、曜日クエストをクリアして得られた進化素材とPVP機能をプレイして得られた経験値を使用してキャラの進化を行うなどの「経済設計」がこれにあたります。

 

レベルデザインにより、ゲームがユーザに受け入れられているかの評価と改善もスムーズになる!?

もちろん、残念ながら、そうやって設計したゲームでも、ユーザが関心を持ち、遊び続けていただけるかは、リリースされるまで分かりません。我々もドキドキしながら見守ることになります。

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しかし、予めレベルデザインをしておくと、想定とのずれから、改善、調整箇所が絞り込めるため、リリース直後のユーザの反応や評価をもとにしたゲームの改善、調整が行いやすくなります。

意図した通りにユーザは遊び続けてくれているか、定性、定量面の双方から評価し、レベルデザインの調整、改善を行い続けることができるのはスマホゲームの特色です。

レベルデザインをしっかりしておくことで、設計→実行→評価→改善という基本的なPDCAサイクルがすばやく効率的に行えるのです。

 

前回の@dnogami_denaの話、今回の話で、我々が行っている「分析」や「レベルデザイン」に関して、少しずつ全貌が見えてきました。

 

次回の分析メンバーがお話する、「リリース直後のゲームの課題を発見し、解決する方法」を読んでいただくと、さらに理解が深まるかもしれません。ご期待ください!