未来のゲームプランナーたちへ~座・芸夢の終わらない挑戦!主催者インタビュー~

こんにちは、Mobage Developers Blog 編集部です。

2015年の6月から開催している若手企画者向けの勉強会「座・芸夢 若手ゲームプランナー育成塾 ~未来を担う人に伝えたいこと~」が、毎回多くの参加希望をいただいており、2016年これまでに、12回もの開催を行ってきました。

今月の開催で第13回目の開催を迎える「座・芸夢」の今後の取り組みや、これから参加したいと考えている若手の皆さまへ伝えたいことなど、主催者である 弊社 馬場保仁 に話を聞いてみたいと思います。

「座・芸夢 若手ゲームプランナー育成塾 ~未来を担う人に伝えたいこと~」概要と、参加レポートはコチラ

 

--まずは、ブログ読者の皆さまへ自己紹介をお願いいたします。(馬場保仁のプロフィールはコチラ

わたし自身はそもそも、1997年に(株)セガ・エンタープライゼス(現、セガゲームス)に入社して15年間、家庭向けゲームの開発に携わってきました。最近の据え置き型の家庭用ゲームの開発現場というのは、メンバー100~200人はあたりまえ、工期も2~3年かけて作るというものになってきています。

前職の時から、「如何にして若手にチャンスを与えていけばいいのか?」という悩みをもっていました。
たとえば、入社後3、4年経ってもシリーズものの開発に携わっているがゆえに、仕事の内容、考える内容も似たようなことを継続的にやっている子達がいたわけです。「成長はしないわけではないが、これでいいのだろうか?」と。

ゲームを開発し、ユーザの批評にさらされ、振り返り、それを活かしてまた次の新しいゲームを作るというサイクルをなるべく早く、何度も経験させたいのに、その環境とチャンスが少なく、このままでは未来のディレクターがなかなか育ちようないな、と感じてたんです。

そんな中、スマホでゲームを作ることができる時代がきました。
これまでほど、大規模人数のプロジェクトではなく開発できるし、運用も高速でサイクルをまわします。これは「成長を促すことができる環境になりうるんじゃないか?」と感じたんです。

新しい環境、新しい技術・デバイス。そのうえ、新しい企業であれば、チャレンジもできますし、「今後を担っていくような有望な若手もたくさんいるのではないか?」と期待して、スマホゲームの業界に身を投じようと思いました。そんな折にDeNAとご縁があり、今に至るということです。

もともと大学時代から集団でのものづくりをするのが好きでしたし、自分の根幹にある「人間が好き」という観点からも、人事をやりたかったので、今はどちらも手がけており、好きなことを思い切りやってます。
 

--毎回、著名なゲームクリエイターの方々を講師としてお迎えして、「講義」と「直接指導を受けられる演習」の両方を取り入れて取り組んでいらっしゃるようですが、どのような方が講師を務め、どのような課題をもって行ってきたのか、ご紹介いただけますでしょうか。

これまでの講師の皆さんは、理念、意義を相談したら、意気に感じてサポートしてくれた方々です。熱意ある同じ想いを持った人というのは、話せば、自然にそういう話になっていくんですね。

以前講師をやっていただいた遠藤雅伸さん(現、東京工芸大学 芸術学部 ゲーム学科 教授)は、今教授をやりつつゲーム業界出身者初の学位を取りに行かれています。ゲームをアカデミーの世界に浸透させるためにも、業界の地位向上のためにも、遠藤さんには頑張っていただきたいですし、使命感もって取り組んでおられると思います。心からリスペクトしておりますし、頭がさがります。

そういった想いも、実績もある皆さんに講師として参加していただいているのが「座・芸夢」です。
ゲームを学ぶことができる学校は全国にいくつもあり、エンジニアリング/デザインのような技術的なものを教えることは比較的できているところが多いのですが、こと、プランニングにおいては、教えるのが非常に難しいため、体系だてては教えられていない学校が多いのが実情です。それこそ遠藤さんの工芸大さんはじめ数校でしたね。

これからのゲーム業界のために、まず、プランニングを学べる体制を作らないといけないだろう…そうなったときに、「学校さんだけにその責を押し付けていいものだろうか?」と考えたわけです。
そもそも、職人的で、企業の中でややブラックボックス化しているところもあり、外にでてきてないために、よくわからない…となっているのが、プランナーの仕事だと思います。

これを変えていくためには、まずは、業界の先人たちが自身の中にだけノウハウをためているのではなく、惜しげもなく後進の育成のために提供していく場をつくらなくてはいけないと考えたわけです。

「座・芸夢」は、そういった想いの上で、はじめたプロジェクトなのです。
 

--私自身も「座・芸夢」に参加してみて必ず「演習」があって、それに重きをおいてるなと感じました。

まず第一に、座学だけのイベントや勉強会って、既存でもなくはないと思うんです。
わたしもプロデューサーなので後発で始める以上は、ほかを凌駕する、差別化できるイベントをつくりたいと考えましたし、「実際に効果の高いものはなんだろう?」と考えたわけです。

やっぱり、人間、わーっと教えられるだけでは効果は低く、考える仕事をしている我々は、実践で手を動かしたほうが頭に入っていく、身についていくと思うのです。また、イベントや勉強会に参加しただけでおしまい、ではなく、持ち帰って、学校や会社に戻っても同じく周囲のメンバーと演習を試して、自分たちで成長を促すことができる「おみやげ」を持たせたいというのもコンセプトの中にあるからです。

ですので、必ず「座学+演習」という組み合わせで毎回実施しております。
あと、やはり我々はゲーム屋なわけです。なので、イベント1つとっても「ゲーム屋がつくるイベント」なんだから、そこに遊び心は盛り込みたいな、と。

なので、毎回スタンプカードに受講印を押して、それをポイントとしています。最初は、初級でポイントがたまると、中級になってプレゼントがもらえて、更に中級でポイントがたまると、今度は試験をうけて合格したら上級に…というようなw やはり、積みあがるものが可視化され、かつそこに少し遊び要素があったほうが、楽しいでしょう?w

スタンプも、演習も、持ち帰ってもらって「次回へ!」とモチベーションを高めていただく、1粒で何度もおいしいイベントにできてるのではないかと思います。
 

--10回以上の開催を経て、手応えや、参加者の反応などはいかがですか?

手ごたえは、ありますよ。

毎回応募が多数なので、抽選での参加となっているのですが、複数回参加できているリピーターの皆さんのアウトプットは、確実に変わってきているのを感じますね!
演習の成果はすべて目を通していますし、人によっては個人的に質問してきてくれる学生さんもいらっしゃるので、できうる限り誠実に対応させていただいています。
社内研修にしても遜色ないくらいの内容になっていると思いますよw

応募数も回を重ねるごとに増えてきています。
ただ、会場のスペースの都合上、繰り返しになりますが抽選となっているのですべての学生さん社会人の皆さんの思いを叶えることができないのが歯がゆいところです。

 

--今後、どのような方を講師としてお呼びしたいですか?

ジャストアイデアで、わたしの勝手な欲望ですがw、直近ですごくお話したいなと思っているのは漫画家の荒木飛呂彦先生ですね!
荒木先生の「
荒木飛呂彦の漫画術」を拝読して、感銘を受けたんです!

ものづくりの世界で、あれだけノウハウを惜しげもなく表に出されているだけでもすごいとおもうのに、それがちゃんと体系だてられてまとまっている。これは本当に素晴らしい。
ゲームづくりにも置き換えることができることがたくさんあるなと思いますので。

 

--「座・芸夢」を今後どのようにしていきたいですか?

本当は、学校のカリキュラムのように ”全n回” とかで構成して、ちゃんと飲み込みやすい順序で学んでいただけるように体系化したいところなんですが、そもそも今は、毎回が抽選だからそれもできない。
あと「講義」と「直接指導を受けられる演習」の両方を取り入れていますが、「圧倒的な座学」も必要だと思ってます。

今の20代の子って、子供時代から PlayStation2 以降のゲームをメインに遊んできた世代なんですよね。ゲームの進化が比較的、ビジュアルや技術によったところが大きかった時代で、ゲームデザインやメカニクスがバラエティー富んで発表されてきたわけでも進化してきたわけでもない時代に生きてきてしまっているんですね。

80年代のゲームを無為に礼賛したいわけでも、ノスタルジーにひたりたいわけでもありません。ですが、やはり、「過去にどういうゲームがあって、どういうギミックが用意されていて、どう遊ばれていたのか?」などの歴史的経緯や知識、つまりは、「ゲーム史」をなぞる座学も必要なんじゃないかなと感じてます。

同じようなことは、以前、東京工芸大学の岩谷徹教授と対談させていただいた時にも話題に上りましたしね…
 

--最後に、参加を検討されている皆さまや、ゲームプランナーを目指す社会人・学生の皆さまへ一言お願いします!!

社会人になり、仕事を始めると、ついつい忙しくて目先のことに追われがちです。
でも、時折立ち止まって「自分は同じことを繰り返していないか」問い直してほしいです。

「自分は成長しているだろうか?」と。

「知識経験の蓄積はあるか?」また、知識だけがたまっていっても、それを「実践できているだろうか?」と、ですね。

時間を費やし、身を削って一生懸命仕事をすれば、満足感は得られるかもしれません。
そういう側面が必要な時期があるのは事実ですが、何年経ってもそれを繰り返しているようでは、時間はどんどん経っていて、その中で「成長できているのか?」はまた別の話です。

「座・芸夢」では日々の繰り返しの中では、なかなか学べないことを学べる場です。その知識を得て、どう武器にするかは自分自身ですが、中堅になる前に、若手のうちに、自分自身の武器をひとつでも増やすために受講してみるのはどうでしょうか?

同じカードだけで闘うんじゃなくって、新しいカードを増やすことに、是非チャレンジしてみてほしいと思います!

 

 

--たしかに、すでに手持ちにあるカードは、得意なもの・好きなことだったりすることが多いので、意識しなくても、自然とパワーアップしているような気がします。

目的達成のためには、あらゆる場面に対応できるよう「新しいカードをつくることはできないか?」と、考えることはとても大切!ということですね。たとえ話で分かりやすく解説してもらい、ありがとうございました!

“新しいカードの増やし方” については、「ゲーム業界 -活人研 KATSUNINKEN-」でも紹介されています。より理解を深めたい方は、ぜひ、あわせてご一読ください!