2015年のゲーム・Web 開発動向を技術面で占う - Mobage 座談会 【後編】

皆さん、こんにちは。Mobageオープンプラットフォーム事務局です。

先日掲載いたしましたこちらの記事は、もうお読み頂けましたか?

 

■2015年のゲーム・Web 開発動向を技術面で占う - Mobage 座談会 【前編】

http://developers.mobage.jp/blog/2015-mobage-discussion-1st

 

前編では多くの方から反響をいただきありがとうございました!

今回はお待ちかねの、後編をお送りいたします。

では、早速どうぞ!!

 


■WebSocketやHTTP/2などの次世代技術

山口:リッチなゲームの話になると今年度の話になりますが、だいぶ WebSocket が標準的な技術になってきて現実的になっています。Socket.IO みたいなトランスボートレイヤーを抽象化したものを使わなくても、WebSocket そのままでも使用できています。実際にそのWebSocket を使用しているタイトルは結構増えてきています。実際リアルタイムバトルみたいなものとかも出てきていますね。ということで今後こういった要素はどんどん入れていかなければならないという状況になっていくと思います。

たぶんそういった際に必要になってくるのが、非同期メッセージのチャンネルを、Socket レベルで一本にしちゃうとか。一本にするには、バックエンドのシステムでチャンネルが集約されるような仕組みにする必要があります。

例えばマルチバトルの最中に友達からメッセージが飛んでくる等、そういったチャンネルをすべて統合するような仕組みを作っていかなければならないと思います。

 

チョイ:標準技術の土台はすでにあるが、それを工夫して、先程言ったような機能を実現していくということですか?

 

山口: はい、そうですね。HTTP/2 もいよいよ標準化されます。

 

チョイ:まだ先ですか。もうすぐ?

 

川上・山口: はい。

 

川上:標準化はすぐでしょうね。

 

山口:インプリメントも早いところだと始まっているし、ぜんぜん仕様の中身は違うが、

元のコンセプトになった SPDY とかであれば、モバイルブラウザでも一部対応されているため、今すぐ使えるテクノロジーになりつつありますね。

今後使い方については、大手のサービスを展開しているような会社が、どういう風に使うのがベストか、いろいろ試験的に試して展開していくと思います。

 

川上:DeNA でも HTTP/2 準拠の Web サーバーを作っていたりもしています。

 

山口:実際に DeNA でもどのような使い方がベストなのかいろいろなところで試して、我々なりのベストプラクティスを発信していけたら良いなと考えています。

HTTP/2 の普及により作り方その物が変わる可能性もあります。Webアプリケーションを作るのも、そんなにカジュアルじゃなくなってしまうかもしれません。それはWebアプリケーションフレームワークの面でかもしれないし・・・。少しドキドキしていますね(笑)

 

チョイ:今まであった技術は成熟してきて、それをフルに活用しつつ、新しいチャレンジもしていけるという年だとかですかね?

 

山口: じゃないかなとおもいますね。

 

川上: きっと最初は混沌とするでしょうね。

 

山口:また、WebSocket の後継としては HTTP/2 と言われたりしますが、一方で Server-Sent Event という、ちょっと前からあるもっとシンプルな技術もあります。そこにはサブスクライブ専用のチャンネルもあります

WebSocket の場合、双方向に通信ができる状態だが、このサブスクライブ専用チャンネルは、サブスクライブするだけという仕様になっています。それでも十分じゃないかという議論もありました。どんどんシンプルになりつつ、かつ疎結合になっていてという過渡期を経て、HTTP/2 という感じになるではないかと思いますね。

 

<実現がすぐそこに見える、次世代技術を語る山口>

<実現がすぐそこに見える、次世代技術を語る山口>

 

チョイ:これらの技術からブラウザへの影響はどう出てきますかね?

 

山口:ブラウザへの影響という意味では、プリフェッチという技術の概念は変わってくるでしょうね。

あくまでプリフェッチは、HTML の head 要素内に link 要素を書いて、そこの rel 属性にprefetch と書いて、リソースのファイル名を指定すると、優先して取ってくる仕組みで、たとえその画面内で描画しなかったとしてもとってくるようなヒントなんです。最近もまた新しい仕様になりつつありますが、それも結局 HTTP/1.1 のパイプラインという壁を乗り越えることができませんでした。

一方でHTTP/2のサーバープッシュを使うと、Web アプリケーションはどのページからどのメディアファイルが参照されているか予めリソースの依存関係を知っているから、一緒にレスポンスに含めてしまおうということができるわけですね。

通常の HTML であれば、HTML をサーブした後に、クライアントがそれを解釈して、改めてリクエストを投げるというフローになっているですけど、そうではなくて全部一気に送ることができるんですね。

 

川上:リクエストされていないものも送るというわけです。

 

山口:もしかすると、WebSocket の用途をリプレイスするものになりうると思います。

   

川上:実際のところはユースケースはまだ決まっていないですね。一部で議論されていて、DeNA でも一部絡んでいる部分はありますが、ユースケースが決まるまではまだ時間がかかると思います。

 

山口:いずれにせよそういった HTTP/2 の主たるスコープというのはやはりブラウザが一番影響されます。もちろん Native アプリから普通に HTTP/2 に対応したクライアントやライブラリからアクセスする方法もありますが、今までの HTML のサーブという観点からすると既存の概念を覆す要素があるのは面白いと思いますね。

 

チョイ:いろんな囲みがあったゆえに逆に最前線になってきている感じですね。

 

山口:去年くらいからすごいダイナミズムを感じます。

 

川上:アプリの領域はここ最近あまり変わっていませんが、ブラウザがけっこう変わったなと思うところが多いですね。WebGL もそうですが音がまともに出るようになった(笑)ブラウザとアプリじゃ勝負にならなかったという時代からも変わりつつあると感じて、表現力に関しては、2014 年の後半からけっこうダイナミックに変わっている印象はありますね。

 

山口:小さい話だと、オリエンテーションの固定も少しづつできるようになっています。欧米だと横のゲームが主流だったりするので、今までできなかったことが逆に不思議でしたが、標準ブラウザでもオリエンテーションを普通に固定できるのと、新しい Chrome for Android では manifest.json に記述するとできるようになります。

 

チョイ:今までアプリは、表現力においてはブラウザよりは優れていたが、ブラウザの技術がやっと追いつき、これからはアプリを追い越すことはありますか。

 

川上・山口: 技術的に追い越すこともないし、追いついたという事にも語弊がありますね。

だいぶ遜色なくなってきたというところでしょうね。

 

山口:もちろん表現力とか比べたら負けるが、WebGLはけっこういい勝負になってくると思います。Native と比較した場合、悪くても 5 割くらいのパフォーマンスは出せるため、かなり有望な技術になってくるのではないかと思います。

 

 

■Browserの強み・課題・希望

チョイ:今残っている課題といえばどういったものがありますか?

 

川上: Push Notification。 これは大きな課題です。

あと導線にも課題があると感じています。

どちらかというと、技術というよりもマーケット的に・・・。

例えば、ブラウジングしているときに広告をポチっと押して、ゲームプレイというところは圧倒的にブラウザの方が早いですが、2回目以降プレイしようとするときにブラウザにブックマークすることは少ないと思います。

 

チョイ:たしかに最近はブックマークしないかもしれないですね。自分自身は最近ブックマークしません。

 

川上: ブックマークすると、逆にやりづらい部分もあると思っています。だから、そこがこれからの課題だと思います。Push Notificationについても運営側から通知を出すことが今のところできません。

 

 

山口:たしかにRemote Notification に課題は残りますがリテンションについては以前

Browserでも同等機能を実現する方法として、JS SDK ホームスクリーンアイコン機能を紹介させてもらいました。これによりリテンションの向上に繋げていければと考えています。

 

チョイ: Browserの強みについてはどう思いますか。

 

川上:強みは更新しやすい・レギュレーションがゆるいなどが挙げられます。

ShellAppで出してしまうとレギュレーションがきつくなります。

更新しやすいというのは強いと思います。Appleだと審査に時間がかかり、場合によっては2週間とかそれ以上にかかってしまうこともあります。そうなると運営の予定を変更せざる得ない事もあります。だから簡単に更新できる仕組みは強みだと思います。

 

山口:特に今NBPFで作成しているJSSDKのアプローチだと、さっきのゲームエンジンを使うスタイルと、ボトムアップHTMLを意識して変えていくことになります。アプローチとしては、後者の話に位置づくと思います。 だいぶスクラッチ書く分にもやりやすいだろうし、Webアプリケーションと同じ運用でやりつつ、ShellAppの場合はパッケージングをして出す。いたってシンプルですし、覚えることも少ないです。

小さなイテレーションで改善していくというのが、ソーシャルゲームのよくある運用だと思うので、そういう意味では適切です。

  

チョイ:片方取るのではなく両方とるということでしょうか?

 

川上・山口:そうですね。

 

山口: 今回ShellAppSDKでNativeBridge機能を入れました。今までShellAppFreamwork・・・プロキシモデルで作ったタイトルをパッケージングして、こちらが用意したプリセットの機能をNativeで実装し、埋め込んだJSAPIから読み出すというスタイルでした。一方、ShellAppSDKでは、もっとリッチな事ができたらいいという観点から、Nativeで実装したものを、パートナーが望めば読み出せるというような、そういうような仕組みを用意しました。より部分部分でリッチなものをNative側では出すことができるようになります。

※ShellAppSDKは近日リリース・詳細発表予定です。

 

川上: iOSのWebViewだと、JavaScriptの実行速度が遅かったという事があったが、iOS8から解消されました。

               

山口: SunSpiderとかのベンチマークと遜色ないどころか、Safariよりちょっと速い

速度が出たりするらしいです。遜色ないスピードが出るようになったのはありがたいですね。

 

<2015年、Mobageの未来を語る面々

<2015年、Mobageの未来を語る面々

 

■2015年のモバゲーでの取り組み

チョイ:Mobageは今後どのような戦略で進めていこうと思っていますか。

 

川上: HTML5リッチなゲームを出せる仕組みは、今年度から粛々と作成しています。一部ゲーム特化のコミュニティ機能とかご利用意向があれば、簡単に導入できるような方法を提供していこうかなと考えています。今後は、Mobageとゲームが分かれていたほうが良いと思うタイトルに関してはそのままで、ゲームの中にコミュニティ機能を入れていきたいというところには入れやすくするようにしてきたいです。

 

チョイ: それはゲームとコミュニティとの境界線をぼかしていく感じになるのでしょうか。

 

川上: 基本的にはゲームに組み込める機能は提供しようと思っています。

 

山口: ただゲーム自身にコミュニティ機能を独自に実装するのはけっこう大変です。

 

 

山口: 現在Mobageにはコミュニケーションをとる手段として、公式サークル・チャットがありますが、今後はこれらをもっと押し出していこうと考えています。

 

 

 

■新たなサービス

山口:1月中旬にもっとすごい公式サークルが出る予定です。

「怪盗ロワイヤル」公式フォーラムがオープンしました。

 

川上:イメージ的には、公式サークルの次世代版のようなものではないでしょうか。

 

チョイ: 今と比べると、どのように違うのですか?

 

川上: 閲覧性を高める、ゲームに組み込める部分が大きな違いです。

 

チョイ: UIはゲーム側で制御できますか?

 

川上: UIはゲームのテーマに合わせて変えることは可能です。

今後はゲームの一部のコミュニティ機能として提供する予定です。


 

■最後に...

チョイ:最後にパートナー様に特に伝えておきたいことがあればお願いします。

 

川上:CreateJS Lite (仮) はけっこういいものになてきているので、多くのデベロッパー様に使ってもらいたいですね。ただ課題もあり、100%互換ではないので、技術サポート体制がない状態は厳しいです。そのため、本格導入できるようになるまではMobage のゲームに限らせて頂き範囲を広げる方向で考えています。

 

山口:Mobageは質の良いゲームユーザが多く集まっているのでARPPUからみても他のプラットフォームに負けない魅力があると思っています。またブラウザの表現力向上とそれを支えるオーサリングツールも充実しつつあります。その上で最新ブラウザの進化が著しいということがあるので、2015年はターニングポイントになる年だと思っています。


 



対談は以上になります。

最後までお読みいただきありがとうございました!



Mobageではこれまで培ったノウハウに加え、今後も新しい技術を取り入れながらパートナー様のゲーム作りを全力でバックアップさせていただきます。


皆様に喜んでいただけるゲーム作りに、我々が少しでもお力添えできればこれ以上嬉しい事はありません。

ぜひ、私たちと一緒にヒット作を世の中に送り出していきましょう!!



今後とも Mobage オープンプラットフォームをよろしくお願いいたします。